オーストラリア税関ニュース 2007 
                                                                   
11月01日2007年 申告はポテトチップスだがコンテナーの中身は700万本のタバコ 
  オーストラリア税関は、大量のタバコの密輸を阻止し、シドニー在住の男を逮捕した。 税関職員は、シドニーのボタニー港の税関検査場で、海上コンテナーの中から700万本以上のタバコを見つけた。 このコンテナーは、アラブ首長国連邦のドバイから10月19日に到着し、税関によって検査が行なわれていた。 税関への申告書には、このコンテナーの内容物は、ポテトチップス、紅茶、ベジタブル ギー となっていた。 税関職員がコンテナーを開けて検査したところ、前面に詰まれたポテトチップスの箱の4列奥にタバコを発見した。 総額135万8,000ドル(約1,425万円)の関税を免れるために密輸したとされている。 これにより捜査がおこなわれ、シドニーのウェントワース地区の倉庫で、46歳の男がこのコンテナーからタバコを降ろしているのを確認してから逮捕した。 この男は11月13日に地方裁判所に出廷することになる。 オーストラリアの税関法1901では、密輸品を運んだり、所有したものは、その密輸品に課せられる関税の5倍までの金額を罰金として支払わなければならない。 (Source: Australian Customs Service, 25/10/07 "Man arrested over detection of millions of cigarettes from Dubai")
09月06日2007年 オンライン上で輸入許可書の申請と取得が可能に − 豪税関
  オーストラリア税関は、「先週から、新しい電子輸入許可申請システムの運用が始まり、輸入業者にコンピューター上にて輸入許可書が発行できるようになった」と発表した。 ”e-Permits”と呼ばれるこのサービスは、現在使用されている、コンピュターにて輸入許可書の申請を行なうことが出来る”e-Lodgement”と似ているが、”e-Permits”はコンピューター上にて輸入許可書も取得できる。 しかし、現在の段階では生体物質、生きた動物生殖物質は”e-Permits”によってコンピュターでは申請はできず、今まで通りの”e-Lodgement”での申請か、実際に税関に申請書を提出することになる。 税関当局は、「今回の”e-Permits”の目的は、輸入許可申請における作業の合理化を狙ったもので、申請者に対し輸入許可書をメールにて発行し、料金の徴収もその場で行なう。 申請者には輸入許可書の期限が切れる前に通知が出される。 登録された業者だけが、輸入許可書の更新ができ、またコンピューター上で許可書の状況が閲覧できる。 (Source: LLDCN, 31/08/07 "Electronic option for importers: Customs")  
07月26日2007年 関税などを請求する詐欺メールに注意 − 豪税関

  インターネットで商品を注文したオーストラリア人は、関税、税金、税関の諸料金を請求する詐欺メールに注意しなければならない。 税関は、最近インターネットで商品を購入した人からのこの種の問い合わせを多数受け取っている。 それによると購入者に、「注文した商品が税関で保管されており配達するには、関税、消費税、その他の税金の支払いが必要で、送金するように」とする内容のHotmailアドレスのEメールが送られてくる。 税関側は、「税関としては輸入者にこのような請求方法は実施していない。 インターネットで海外から商品を購入する人は、オーストラリアに商品を輸入する際の手順を十分確認しなければならない。 オーストラリア税関が、関税や税金の支払う必要がある商品を保管している場合は、輸入者に対して郵便で通知することになっており、HotmailアドレスのEメールを個人的に送る事はない。 もし、輸入者がこのような疑わしいEメールを受け取った場合、証拠となる書類を要求して欲しい。 インターネットで海外から商品を購入しようとする人は注文をする前に、輸入にかかる料金を計算し、もし販売者がそれらの料金を請求するのであれば、必ず彼らが支払った受領書を求めて欲しい」としている。(Source: Australian Customs Service, 24/07/07 "Customs warns Internet purchasers of email scam")

07月12日2007年 200万ドルの関税を逃れる為にタバコをスナック菓子として申告

  フィリピンから到着した海上コンテナーから申告されていない900万本のタバコが発見されたことにより、シドニーのオーストラリア税関は、200万ドルの関税を逃れる為に密輸した容疑で男2人を逮捕した。 このタバコは先週の金曜日に、シドニーのボタニー港のコンテナー検査場でエックス線によって税関職員によって発見された。 このコンテナーの中身は2,400箱のスナック菓子(塩味プレッツェル)として申告されていたが、実際にはコンテナーいっぱいに詰めれれた895箱のタバコであった。 このコンテナーは、シドニー西部地区の倉庫に運ばれ、男2人がタバコをコンテナーから出そうとしたところを逮捕された。 税関によると、この数量のタバコに対する関税は215万ドルになるとしている。 オーストラリアの税関法では、密輸を実行した者、運び屋、密輸を計画した者に対し、支払うべき関税の5倍までの罰金が課せられる。 (Source: Australian Customs Service, 27/06/07 "Container full of smuggled cigarettes, not pretzels")

06月28日2007年 上海から輸入されたコンテナーから大量の武器を押収 − 豪税関
  メルボルンの税関職員は、大規模な武器の密輸を公表し、今年では最大となる900点以上の武器を押収した。 調査は、5月4日にメルンボンのコンテナー検査場で、中国の上海から到着したコンテナーを検査したことから始まった。 コンテナーの内部には、短刀96点、短剣96点、刀身が隠されている棒を含む408点の輸入禁止品目が発見された。 また、6月19日の捜査で、ビクトリア州スプリングベールにある住宅や店舗から、別に530点の輸入禁止品目に該当する武器を押収した。 その中には、168点の短刀、156点の刀身が隠されている棒、163点の2枚刃ナイフ・短刀・刀があった。 現在3人の容疑者の事情聴取が行なわれており、今後も捜査が続く。 許可なくしてこれらの武器をオーストラリアに輸入すると、27万5,000ドルの罰金と、または10年間の禁固刑となる。 (Source: LLDCN, 26/06/07 "Customs discover weapons at box examination facility")
06月14日2007年 ヒトの胚細胞の輸出規則が改定 − 豪税関
  「司法・税関大臣の許可を取らずに、ヒトの胚細胞の輸出を禁止する」とした税関(輸出禁止)規則7が、2007年6月12日に廃止されることになった。 今後、ヒトの胚細胞の輸出管理は、以前の税関(輸出禁止)規則8に戻ることになり、「ヒトの体液、臓器、その他の細胞の輸出は、容器に詰められる内容量が50mlを超える場合には、許可なくして輸出を禁じる」という規則が適用される。 これにより、内容量が50mlを超えない場合には、許可が必要とされなくなる。 (Source: Australian Customs Service, Notice No. 2007/29, "Amendments to the Customs (Prohibited Exports) Regulations 1958 Export of Human Embryos Regulation 7 of the Customs (Prohibited Exports)")
05月21日2007年 豪税関のクイーンズランド州本部が空港に移転する計画
  広範囲にわたる検討後、オーストラリア税関は、ブリスベン空港会社(BAC)と、クイーンズランド州本部として使用する空港内の多目的ビルのリース契約交渉の最終段階を迎えた。 オーストラリア税関、クイーンズランド州責任者のジェニー・エウティック氏は、「現在、計画されている税関のビルは、ブリスベン空港の入り口にある、エアーポート・ドライブ1番地の中にある。 ブリスベン空港会社(BAC)の本部も同じ敷地内にある。 この多目的ビルは、税関だけが入居し、税関の要望である、顧客のサービス向上と最新式のセキュリティーの導入が可能になる構造となっている。 政府の許可を条件に、ビルの工事は今年の10月に始まり、現在の税関の市内事務所(クリーク通り140番地)と空港事務所(カンタス・ドライブ42-44番地)は統合されて、2009年の7月に入居する予定である」と話した。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 16/05/07 "Customs moving Queensland headquarters to airport")
05月14日2007年 タカラトミー製のロボットの輸入は、州警察の許可が必要−豪税関

  オーストラリア税関は、「海外にオーダーした新しいオモチャについて、もし州警察の許可なしに輸入すれば、それは武器のレプリカと判断し、押収することになるかもしれない」と警告している。 シドニーのクライド地区にあるオーストラリア・ポストの施設で、この4週間に、海外からの郵便小包の検査を行い、50個以上の”MP-05 マスターピース メガトロン トランスフォーマーズ”と呼ばれるオモチャの輸入を阻止した。 ガトロン トランスフォーマーズは、日本で製造され、一個が100ドル以上する、人の形をしたロボットで、形を変えれば、”ワルサーP-38、セミオートマティック ピストル”のレプリカに変形することが出来る。 このオモチャは、オーストラリアでも6月末に公開予定の、アメリカ映画”トランスフォーマズ”の公開に先立って、世界中の各国で販売されている。 オーストラリアの税関法により、このような武器のレプリカは、本物のピストルとしても使用できる可能性がある理由で規制されている。 もし、州警察の許可なく輸入されれば、税関規則(輸入禁止品目)1956に違反することになる。 税関は、収集家や父兄に対し、通関の遅れ、余分な費用、不快感を避けるために、このピストルのレプリカの規制を十分理解して欲しいとしている。 オーストラリア税関のナショナル・マネージャー代理のジョン・ポッター氏は、「多くの収集家たちは、インターネットで注文をしている。 州警察の許可なく輸入すれば、法律に違反することを知って欲しい。 その結果、ガトロン トランスフォーマーズは没収されることになる」と話した。 (Source: Austrarlia Customs Service,10 May 2007 "Customs zaps 'megatrons'")

04月05日2007年 貨物を検査する最新の中性子スキャナーは、従来のX線と性能は同じ
  オーストラリア税関は、ブリスベン空港で行われた中性子スキャナーの試験運用の参加を終了した。 先週末、オーストラリア・フォワーダー・カウンシルのニューサウスウェールズ地域の代表者や通関業者の代表者の会議が開かれた。 オーストラリア税関の貨物担当幹部のジェーン・ベイリー氏は、「CSIRO(連邦科学産業研究機構)は、引き続き世界初のテクノロジーの開発を民間企業と続けていく。 このテクノロジー開発に多くの投資をしているが、現在のところ、この中性子スキャナーの性能は、従来の貨物パレットのエックス線装置の結果と大差がない。 我々税関は、以前の航空貨物検査の方法に戻す」と話した。 オーストラリア税関によると、2005年から18ヶ月で、この中性子スキャナーには840万ドルの開発費用がかかっており、将来的には、この新しいテクノロジーの知的財産権を他の国々に販売して、開発経費を回収したい、としている。 ベイリー氏は、「税関は航空貨物の70%を検査しなければならない。 これは輸入が増加している現状では、我々にとっては挑戦である。 それを如何に実現するか、最良の方法を探す必要がある」と話した。 (Source: LLDCN, 04/04/07 "$8.4m neutron scanner no better than x-ray: Customs")   
04月02日2007年 シドニー空港に航空貨物で密輸されたコカイン141キロを押収
  3月28日、シドニー空港で141キロのコカインが押収された。 連邦警察や州警察、税関などからなる捜査集団の共同アジア犯罪グループ(JACG)が、シドニーで過去2番目の量のコカインを押収したことで、マリックビル地区に住む香港出身の59歳の男性を逮捕した。 押収されたコカインは末端価格で6,800万ドル相当になる。 JACGは、3月15日に香港からシドニー空港に航空貨物で到着した”給水システム”とされる2個の貨物を検査した結果、コカインを発見した。 そして、3月26日にこの貨物はマリックビル地区の商業施設に運ばれ、この貨物を受け取った男性を逮捕した。 税関のナショナル・マネージャーのジョン・バァラストロ氏は、「今回の押収は、国際麻薬取引を阻止する我々の共同作業の強化が証明できた。 コカインを発見するのに税関のテクノロジーが重要な役目を果たした」と語った。 男性は今日、シドニー地方裁判に出廷する。 今回の犯罪は最高で終身刑となる。 ニューサウスウェールズの過去最高のコカインの押収量は2000年2月の船から押収された502キロで、オーストラリア全体では2001年に西オーストラリア州沖の船から押収された940キロが最高であった。 (Source: Australia Customs Servic, 28/03/07 "Second largest cocaine seizure in Sydney ")
03月19日2007年 メルボルン/大阪ヨットレース参加者への説明 − 豪税関

  オーストラリア税関局の職員は、明日(3月15日)にサンドリングハム・ヨット・クラブを訪問し、今月に行われるメルボルン/大阪レースに参加するヨットマンたちとブリーフィングを行う予定である。 ブリーフィングの内容は、ヨットの乗員たちにオーストラリアを出発する前や戻る前に税関に情報を与える事を概要としている。 税関局のナショナル・マネージャーのブライアン・フーレル氏は、「オーストラリアに戻ってくるレースの参加者は、オーストラリアを到着する日の少なくとも96時間前には税関への通知が必要である。 このルールはすべての船舶に適用され、国境警備の一環である。 ヨットレース参加者には、簡易入国審査が適用される」と話した。 メルボルン/大阪ダブルハンドヨットレースは各ヨットに2名だけが乗船する国際的なレースで、4年に1回開催されている。 今回参加するヨットは22艇で、3月25日にメルボルンのステーション埠頭から出発する。 (Source: Australia Customs Service, 21/03/07 "Customs to brief Osaka yacht race entrants")

03月08日2007年 船会社が税関への事前の報告なしに入港し罰金 − タスマニア州

  船会社のスワイアー・パシフィック・オフショアー社(Swire Pacific Offshore Pty Ltd)は、オーストラリア税関法1901に2件違反したとして、罰金2,500ドルとホバート地方裁判所の費用2,867ドルを命じられた。 同社は先週裁判所において、同社所有の船1隻が、ランセストン港に入港する際に、税関に対し事前の報告書を提出していなかった事、また乗組員リストも出していなかったことを認めた。 揚錨船/タグ船の”パシフィック・ランナー”号は、シンガポールから直接ロンセストン港に2005年11月28日に入港した。 オーストラリア税関法1901の64条では、海外からオーストラリアに到着する船の事業者は、入港する96時間前までに必要事項を記載した報告書を提出しなければならない。 また同法64条ACB (1)では、到着する前にすべての乗組員の詳細を提出する必要がある、としている。 (Source: Australian Customs Service, 05/05/07 "Shipping company breaches Customs Act ")

01月22日2007年 豪州とニュージーランド間の関税ルールが変更−豪NZ経済協力協定 
  豪NZ経済協力協定、Australia New Zealand Closer Economic Relations Trade Agreement (ANZCERTA)の新しいルールにより、オーストラリア企業のニュージーランドでの活動に恩恵が出てくる。 ウォーレン・トラス貿易大臣は、「1月1日から始まるこのルールでは、オーストラリア企業の製品をニュージーランドに輸出する際に、その製品が特定のANZCERTAの原産国のルールに沿っていれば、ニュージーランドでの関税を免除できるものである。 ニュージーランドの製品も同様のルールに従えば、オーストラリアに関税なしで輸入できる。 新しい商品特定ルールでは、オーストラリアやニュージーランドで製造される商品が、国際統一商品分類コード(Harmonized Commodity Description and Coding System)によって分類されるのであれば、関税は免除される。  これにより原産国は、為替の変動や価格の敏感さに影響されず、ビジネスが活発になる」と話した。 (Source: LLDCN, 18/01/07 "Changes to Australia-New Zealand customs rules")